MEDICAL COLUMN
医療コラム


「脈が飛ぶ」「動悸」は不整脈のサイン?心臓のリズムの乱れとは
こんにちは。札幌市中央区南円山にある「南円山みんなの内科ハートクリニック」院長の小浪佑太です。
「最近、脈が飛ぶような気がする」
「ドキドキと動悸がするけれど、放っておいても大丈夫かな?」
もし、このような心臓の症状に心当たりがあるなら、それは不整脈かもしれません。不整脈とは、心臓が一定のリズムを刻まず、速くなったり(頻脈)、遅くなったり(徐脈)、あるいは脈が飛んだりする状態の総称です。当院では、内科・循環器内科として、地域の皆さまの健康を幅広くサポートしています。
心臓の「リズム」が乱れる不整脈とは?
私たちの心臓は、1日に約10万回拍動し、全身に血液を送り出すポンプの役割を担っています。この拍動は、心臓の中にある「洞結節」から発生する電気信号によって、規則正しくコントロールされています。
この電気信号が心臓全体に伝わることで、心臓は収縮と拡張を繰り返します。まるでオーケストラの指揮者のような働きです。
しかし、この電気信号の発生や伝導に異常があると、心臓の拍動リズムが乱れてしまいます。これが「不整脈」です。
正常な心拍数と比較して、速すぎる・遅すぎる・不規則といった変化が現れることがあります。
もしかして不整脈?こんな症状に心当たりはありませんか?
不整脈の症状は個人差が大きく、まったく自覚のない方もいれば、日常生活に支障が出るほど強い症状を感じる方もいます。
「脈が飛ぶ」「ドキドキする」と感じる動悸
不整脈で最もよく聞かれる症状が「動悸」です。具体的には以下のような感覚があります。
- 脈が飛ぶ(期外収縮):一瞬胸が詰まるような感覚、ドキッとするような感覚。
- 脈が速くなる:突然バクバクと激しく心臓が打つ。
- 脈が遅くなる:ふわふわした感じ、だるさを伴う。
- 脈が不規則になる:心臓がバラバラに動いているような違和感。
息切れ、めまい、意識消失にも注意
動悸以外にも、以下のような症状が現れることがあります。これらは心臓から全身への血液供給が一時的に滞ることが原因です。
- 息切れ:軽い運動でも息切れする。
- めまい・ふらつき:立ちくらみや意識が遠のく感覚。
- 失神(意識消失):一時的に意識を失う。特に危険な不整脈の可能性があります。
- 胸の不快感・痛み:圧迫感や違和感、軽い痛みを伴うことも。
これらの症状は不整脈以外の病気でも起こるため、早めに循環器内科で検査を受けることが大切です。
不整脈にはどんな種類があるの?
不整脈は、発生場所やリズムの乱れ方によってさまざまなタイプがあります。代表的なものを紹介します。
よく経験する「脈が飛ぶ」=期外収縮
期外収縮は、心臓の正常なリズム以外に、別の場所から早く電気信号が出てしまうことで起こります。
「脈が飛ぶ」「胸がドキッとする」といった感覚を伴います。多くの場合は治療の必要がなく、経過観察になりますが、頻繁であれば検査をおすすめします。
特に注意が必要な「心房細動」
心房細動は、心房が小刻みに震えるように不規則に動く不整脈です。血液がよどみやすくなり、血栓ができやすくなります。
この血栓が脳に飛ぶと、脳梗塞の原因になることも。特に75歳以上や心不全・高血圧・糖尿病・脳梗塞の既往がある方は要注意です。
命に関わる「心室性不整脈」
心室性不整脈は、心臓の主ポンプである心室から発生する危険な不整脈です。
特に「心室頻拍」「心室細動」は、突然死のリスクがある重篤な状態で、緊急の対応が必要です。
不整脈はなぜ起こる?その原因をチェック
不整脈の原因は一つではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って発生します。
加齢やストレス、睡眠不足など生活習慣との関係
- 加齢:心臓の電気信号を伝える組織が加齢とともに変化し、不整脈が起こりやすくなります。
- ストレスや疲労:自律神経のバランスが乱れ、不整脈を誘発することがあります。
- アルコール:過度な飲酒は心臓に負担をかけ、不整脈のリスクを高めます。
- カフェインや喫煙:心臓への刺激となり、不整脈のきっかけになることがあります。
- 生活習慣病:高血圧・糖尿病・脂質異常症などが動脈硬化を進行させ、不整脈の原因になります。
心臓病や服用中の薬が原因となることも
不整脈の背景に、以下のような病気が隠れていることもあります。
- 心筋梗塞・狭心症:心筋への血流が不足し、不整脈を引き起こす原因となります。
- 心筋症:肥大型・拡張型など、心臓の筋肉自体の異常によって発症します。
- 心臓弁膜症:弁の異常により心臓に負担がかかり、不整脈が生じます。
- 甲状腺機能亢進症:甲状腺ホルモンが多く分泌されると、頻脈や動悸を引き起こします。
- 薬の副作用:一部の風邪薬・抗生物質・精神薬なども不整脈の要因となることがあります。服薬中の方は医師にご相談ください。
大丈夫な不整脈と危険な不整脈の見分け方
「不整脈」と聞くと不安になる方も多いと思いますが、すべてが危険というわけではありません。
比較的心配の少ない不整脈
健康な方にも見られる「期外収縮」などは、多くが心配のないタイプです。
- 自覚症状が軽い
- 心臓の基礎疾患がない
- ストレスやカフェインなど一時的な要因に反応している
このような場合は、経過観察になることが一般的です。
早めの受診が望ましい危険な不整脈
以下に当てはまる場合は、循環器内科を受診しましょう。
- 症状が強い・頻繁に起こる(苦しい動悸、失神を伴うなど)
- 症状が長く続く(数分以上続く、1日何度もある)
- 基礎疾患がある(心筋梗塞・心筋症・弁膜症など)
- 健康診断で異常を指摘された(心電図で「要精密検査」など)
- 高齢者で無症状でも心房細動のリスクが高い
これらの判断には、専門医の診察と検査が欠かせません。
不整脈の診断は「心電図検査」が基本です
南円山みんなの内科ハートクリニックでは、不整脈の正確な診断のためにさまざまな検査を実施しています。
心臓の状態を詳しく知る「ホルター心電図」
不整脈の診断の基本は心電図検査です。当院では、まず安静時心電図を行い、診察時点での心電気的な異常を確認します。
ただし、不整脈は常に起こるわけではないため、その場で異常が捉えられないこともあります。そこで有効なのが「ホルター心電図」です。
小型の心電計を身につけて24時間心電図を記録し、日常生活中に現れる不整脈や自覚症状との関連を詳細に評価することが可能です。また、当院ではより長期間(1~2週間)の心電図記録が可能な、長時間イベントレコーダーとしての機能を持つホルター心電図もご用意しており、頻度の少ない不整脈の検出に有用です。
その他の精密検査
必要に応じて、以下のような検査を組み合わせて実施します。
- 心臓超音波検査(心エコー):心臓の動き・大きさ・弁の状態をリアルタイムで確認。不整脈の原因となる構造的異常の有無を調べます。
- 血液検査:貧血、甲状腺機能、電解質バランス、心負担マーカー(BNPなど)を調べます。
- 心臓MRI・CT:必要に応じて、心筋の炎症や線維化、構造異常の詳細な評価を行います。
不整脈の治療方法|症状や種類に合わせたアプローチ
不整脈の治療は、その種類・重症度・基礎疾患の有無・生活スタイルなどを総合的に考慮して決定します。
まずは生活習慣の改善から
軽度の不整脈や、生活習慣が誘因となっている場合には、まず生活の見直しを行います。
- ストレス管理:リラックスできる時間や趣味を大切にする。
- 十分な睡眠:規則正しい生活リズムを整える。
- バランスの取れた食事:減塩・低脂肪を意識することが大切です。魚や野菜を多く取り入れる「日本食スタイル」は健康的ですが、塩分が高めになることもあるため、調理法などを工夫する必要があります。
- 適度な運動:有酸素運動を中心に無理のない範囲で継続する。
- 禁煙・節酒:喫煙・飲酒は心臓への負担になるため、控えることが望ましいです。
心臓のリズムを整える薬物治療
症状が強い場合や脳梗塞などのリスクが高い場合には、薬物治療を行います。
- 抗不整脈薬:異常な電気信号の抑制や心拍数の調整を行います。
- 薬物治療:特に心房細動の患者さんでは、血栓による脳梗塞予防として使用します。現在では、従来のワルファリンに比べ、出血のリスクが少なく食事制限も不要なDOAC(直接経口抗凝固薬)が第一選択薬として推奨されています。
根本治療を目指す「カテーテルアブレーション」
薬で効果が不十分な場合や、根治が期待できる不整脈には「カテーテルアブレーション」が検討されます。
細いカテーテルを心臓まで挿入し、異常な電気信号の発生源を焼灼または冷却する治療法です。心房細動や心室頻拍の一部で高い効果が期待されます。
当院ではこの治療は行っていませんが、必要に応じて連携先の専門医療機関をご紹介いたします。
必要に応じて行うデバイス治療(ペースメーカーなど)
- ペースメーカー:極端な徐脈(脈が遅い)でめまいや失神を起こす方に対し、一定のリズムで心臓を動かす装置を植え込みます。
- 植込み型除細動器(ICD):心室細動などの重篤な不整脈に備え、電気ショックで心拍を正常に戻す装置を植え込むことがあります。
当院へのアクセス
南円山みんなの内科ハートクリニックは、札幌市中央区に位置し、公共交通機関でもお車でも通いやすいアクセス環境です。
公共交通機関をご利用の方
- 中央バス「旭山公園通18丁目」バス停の目の前
- 市電「西線9条旭山公園通」駅より徒歩約5分
- 地下鉄 東西線「西18丁目」駅より徒歩約14分
- 地下鉄 東西線「円山公園」駅より徒歩約20分
お車でお越しの方
クリニック専用駐車場(18台分)をご用意しています。お車での通院にも便利です。
「もしかして不整脈かも?」と少しでも感じたら、お一人で悩まず、まずはご相談ください。
不整脈は、時に重大な病気の前兆である一方で、早期に気づき適切に対応することで、日常生活を安心して送ることができる病気でもあります。
大切なのは、心臓からの「いつもと違うサイン」を見逃さず、循環器の専門医に早めに相談することです。
南円山みんなの内科ハートクリニックは、札幌市中央区の皆さんにとって、安心して心臓の健康を任せられる存在でありたいと考えています。
脈が飛ぶ、動悸がする、息切れがする――どんな些細なことでも構いません。お気軽にご来院ください。
ご予約・お問い合わせは、お電話またはWEB予約フォームより承っております。
南円山みんなの内科ハートクリニック 院長 小浪 佑太
資格
認定内科医
総合内科専門医
循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
ACLS-EP; Advanced Cardiovascular Life Support for Experienced Provider
所属学会
日本内科学会
日本循環器学会
日本心血管インターベンション治療学会
日本心臓リハビリテーション学会