MEDICAL COLUMN

医療コラム

2025.10.08

【2025年最新版】新しい血圧の基準と目標値|家庭血圧・診断のポイントを循環器専門医が解説

こんにちは。札幌市中央区の循環器内科「南円山みんなの内科ハートクリニック」院長の小浪佑太です。
健康診断で「血圧が高めですね」と指摘されたり、ご自宅の測定で基準値を超えて不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。血圧が高い状態は自覚症状がほとんどなく見過ごされがちですが、心臓や血管に大きな負担をかけ、将来的に心筋梗塞や脳卒中などを招きやすい、注意が必要な病気です。
当院は札幌市中央区の循環器専門クリニックとして、高血圧の最新の診断・治療に力を入れています。この記事では、血圧の基本、6年ぶりとなる日本高血圧学会が発表した、2025年改訂の最新ガイドライン(JSH2025)に基づく新しい降圧目標、ご自宅でできる対策、当院での診療内容までをわかりやすく解説します。最後までお読みいただくことで、今日から始められる適切な血圧管理のステップが明確になります。

まず知ってほしい「血圧」の基本

血圧とは

心臓が血液を全身に送り出すときに、血管の壁にかかる圧力のことです。血液を体のすみずみに届けるために必要な力ですが、常に高い状態が続くと心臓や血管に負担を与えます。

血圧の仕組み(収縮期・拡張期)

血圧の数字は「上」と「下」の2種類があります。
「上の血圧(収縮期血圧)」は心臓がギュッと血液を送り出すときの数値で、「下の血圧(拡張期血圧)」は心臓が休んでいる時の数値です。

正常と高血圧の基準値

血圧分類 測定場所 上の血圧 下の血圧
正常血圧 診察室 120mmHg未満 80mmHg未満
家庭(自宅) 115mmHg未満 75mmHg未満
高血圧 診察室 140mmHg以上 90mmHg以上
家庭(自宅) 135mmHg以上 85mmHg以上

※「正常高値血圧(診察室 120~129 かつ 80未満)」や「高値血圧(診察室 130~139 かつ/または 80~89)」の段階から、生活習慣の修正が推奨されます。

高血圧の新しい基準と治療の考え方

日本高血圧学会が、2025年に6年ぶりに「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」を発表しました。患者さんがより効果的かつ安全に血圧をコントロールできるよう、重要な変更が含まれています。

名称が「治療」から「管理・治療」へ

薬で下げるだけでなく、家庭での血圧測定や生活習慣の改善を治療の柱として明確化しました。

降圧目標の統一化(全年齢共通)

今回の改訂で最も大きな注目点は、これまで年齢や持病によって複雑に分かれていた「血圧を下げる目標(降圧目標)」が、すべての成人で統一されたことです。「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」では、年齢や合併症にかかわらず、主要な降圧目標が以下のようにシンプルで明確になりました。

降圧目標は原則130/80未満に統一

測定場所 新目標(全年齢共通)
診察室血圧 130/80 mmHg 未満
家庭血圧 125/75 mmHg 未満

より低い目標により、脳卒中や心臓病の予防効果が高まることが示されています(SPRINT試験など)。
75歳以上では、ADLやフレイルの状態に応じて個別化が重要です。

治療の中心は「家庭血圧測定」と「生活習慣の改善」

朝・夜の決まった条件で測定し、平均値を診療に活かします。
130/80 mmHgを超える場合は、まず生活習慣の見直しを重視します。

薬物治療のシンプル化

Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、少量サイアザイド系利尿薬、β遮断薬から適応に応じて選択。
達成不十分なら早めに2剤併用を検討します。

高血圧を招く主な原因とリスク

生活習慣要因(最大の危険因子)

  • 食塩の過剰摂取
  • 過度の飲酒
  • 肥満(BMI 25 kg/m²以上)
  • 運動不足
  • 喫煙(血管を硬くし血圧上昇)
  • ストレス・睡眠不足(睡眠時無呼吸症候群を含む)

高血圧を放置する危険性

高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行します。その結果、知らないうちに動脈硬化が進み、次のような合併症を起こすリスクが高まります。

  • 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)
  • 脳卒中(脳出血・脳梗塞)
  • 腎不全・慢性腎臓病(CKD)

今すぐ始めるべき「血圧を下げる」生活習慣改善

食事管理・減塩と栄養バランス

  • 減塩(1日6g未満を推奨)
  • 野菜・果物を積極的に摂取
  • バランスの良い食事

運動習慣

  • 有酸素運動(ウォーキングや軽いランニングなどを週合計150分以上)
  • 筋力トレーニング

禁煙・節酒・睡眠

  • 禁煙(血圧管理の最優先事項)
  • 節酒(男性は20〜30 mL/日以下、女性は10〜20 mL/日以下が目安)
  • 良質な睡眠とストレス管理(睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は早めにご相談ください)

    ▶ 詳しくはこちら(睡眠時無呼吸症候群のページへ)
  • 当院の高血圧診療

    当院は高血圧を単なる「数値の上下」だけで捉えるのではなく、将来の心筋梗塞や脳卒中など心血管イベントを見据えた包括的な管理を行います。患者さま一人ひとりに合わせた計画を立て、長期的な健康を支えることを重視しています。

    循環器専門医による多角的リスク評価

    • 血液検査(腎機能・脂質・糖代謝など合併症リスクを評価)
    • 心電図(不整脈や左室肥大の確認)
    • 心エコー(心臓の形態・機能を非侵襲的に評価し、合併症の早期発見に努めます)

    一人ひとりに合わせた治療

    患者さまの年齢、合併症、生活環境、そして家庭血圧の記録を踏まえて、目標(診察室130/80未満・家庭125/75未満)に向けた最適なプランを一緒に作ります。

    生活習慣指導

    当院では、まず生活習慣の改善を基本とした治療を行っています。食事や運動、禁煙・節酒、睡眠といった日常生活の見直しは、薬物療法に匹敵する効果をもたらすことが知られています。患者さまごとの生活背景を丁寧にお伺いし、無理なく続けられる改善策を一緒に考えていきます。

    管理栄養士による個別栄養指導

    当院では管理栄養士による個別栄養指導を行っています。高血圧の減塩、糖尿病の血糖コントロール、脂質異常症の脂質管理、慢性腎臓病(CKD)に配慮したたんぱく・塩分調整など、検査値と生活スタイルに合わせて食事プランをご提案します。また、心臓リハビリテーションや栄養指導を受けている方には、月1回の体組成計測を実施し、体重・筋肉量・体脂肪率の変化を確認しながら継続的にサポートしています。

    心臓リハビリテーション

    循環器専門医の管理のもと、安全かつ効果的に運動療法を行う「心臓リハビリテーション」を導入しています。心臓や血管に負担をかけすぎない範囲で体力を高め、再発予防と生活の質向上を目指します。専用のリハビリ室で、専門スタッフが患者さま一人ひとりに合わせてサポートします。
    ▶ 詳しくはこちら(心臓リハビリテーションのページへ)

    薬物療法

    生活習慣の改善だけで目標血圧に届かない場合、あるいは脳卒中や心筋梗塞のリスクが高い場合には、薬物療法を組み合わせます。カルシウム拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬などから適切な薬を選択し、必要に応じて複数を組み合わせます。副作用や患者さまの生活スタイルにも配慮しながら、長期的に安心して続けられる治療を心がけています。

    こんな「血圧のサイン」を見逃さないでください

    • 健診で140/90 mmHg以上と言われた
    • 家庭血圧で135/85 mmHg以上が続く
    • 家族に高血圧や心臓病(心筋梗塞・脳卒中)の既往がある
    • めまい・頭痛・動悸・肩こりが気になる

    「症状がないから大丈夫」は最も危険です。数値や体調に不安があれば、当院へご相談ください。

    デジタル療法アプリ「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」の導入

    日本高血圧学会の最新ガイドライン(JSH2025)では、生活習慣改善を支援するデジタル療法アプリの積極的な導入が検討事項として盛り込まれています。当院でも、2025年10月より「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」の処方を開始予定です。

    「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」とは?

    「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」は、厚生労働省に承認され、保険診療として利用できる国内初の高血圧症治療アプリです。医師が診察の一環として処方し、患者さんはご自身のスマートフォンにインストールして使用します。日々の血圧測定や生活習慣・服薬状況を入力すると、アプリが食事・運動・睡眠などに関する改善アドバイスを提供し、生活習慣の見直しと降圧をサポートします。臨床試験でも有効性が確認されており、生活習慣の継続的な改善を後押しする新しい治療選択肢です。

    ご利用の流れ

    • 医師がアプリを処方
    • 患者様はスマートフォンにアプリをインストール
    • 日々の血圧や生活習慣を入力すると、アプリが改善ポイントをフィードバック
    • 半年間の使用を通じて、生活習慣の改善と降圧をサポート
    • 入力内容は医師のPCでも確認でき、診察時の指導や治療計画に活用

    「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」は薬だけに頼らず、生活習慣から血圧を整えるための新しい治療選択肢です。
    ご興味のある方は、診察時にお気軽にご相談ください。


    ▶ 詳しくはこちら(CureApp HT 高血圧治療補助アプリ公式サイトへ)

    当院へのアクセス

    南円山みんなの内科ハートクリニックは、札幌市中央区に位置し、公共交通機関でもお車でも通いやすいアクセス環境です。

    公共交通機関をご利用の方

    北海道中央バス「旭山公園通18丁目」バス停すぐ

    札幌市電「西線9条旭山公園通」駅より徒歩約5分

    札幌市営地下鉄 東西線「西18丁目」駅より徒歩約14分

    札幌市営地下鉄 東西線「円山公園」駅より徒歩約20分

    お車でお越しの方

    クリニック専用駐車場(18台分)をご用意しています。札幌市中央区だけでなく、豊平区・西区・南区など札幌市全域から多くの患者さまにご来院いただいています。

    札幌市で血圧や高血圧が気になる方へ

    高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行し、気づいたときには心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気につながる可能性があります。健診で血圧が高めと指摘された方や、ご自宅での測定で数値が気になる方、ご家族に高血圧や心臓病のある方は、どうぞ早めにご相談ください。

    南円山みんなの内科ハートクリニックは、札幌市中央区南円山にあり、公共交通機関でもお車でも通いやすい環境です。専用駐車場を18台分ご用意しており、お車での通院にも便利です。

    「少し血圧が高いかも」と思ったその時からが予防の第一歩です。気になる数値や体調の変化がございましたら、どうぞお一人で悩まずに当院へお気軽にご相談ください。循環器専門医が、皆さまの健康と心臓・血管の安心をしっかりとサポートいたします。

南円山みんなの内科ハートクリニック 院長 小浪 佑太

資格

認定内科医
総合内科専門医
循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
ACLS-EP; Advanced Cardiovascular Life Support for Experienced Provider

所属学会

日本内科学会
日本循環器学会
日本心血管インターベンション治療学会
日本心臓リハビリテーション学会

詳しくはこちら