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2025.11.30

心臓病のあと「仕事に戻れるか不安…」心不全・心筋梗塞・狭心症の社会復帰と心臓リハビリについて|南円山みんなの内科ハートクリニック

こんにちは。札幌市中央区の循環器内科「南円山みんなの内科ハートクリニック」院長の小浪佑太です。

心臓の病気を経験されたあと、退院してからの生活をどのように過ごせばいいのか、そして「仕事に戻れるのか」と不安を感じる方は多くいらっしゃいます。「退院したけれど、仕事に戻っても大丈夫?」「また発作が起きたらどうしよう…」こうした声を、当院でも多くいただきます。病気の再発や体力低下への不安から、復職をためらってしまう方も少なくありません。

しかし、心臓の病気を経験しても、適切な治療と心臓リハビリテーションを行うことで、再び仕事や日常生活に戻ることは十分に可能です。この記事では、心臓病を経験された方が安心して仕事に戻るために大切なことや、当院で行っているサポートについてご紹介します。

心臓の病気のあとに「仕事復帰」が不安になるのはなぜ?

心不全、心筋梗塞、狭心症の治療後、あるいはペースメーカーや植込み型除細動器(ICD)の植込み術後など、心臓の病気を経験した方の多くが、復職に対して強い不安を感じます。これは、単なる気持ちの問題ではなく、病気や治療による身体的・心理的な変化が背景にあります。入院や安静による体力の低下、再発への恐怖、自信の喪失などが重なり、「働ける体になっているのか分からない」と感じてしまうのです。このような不安を少しずつ解消し、安心して社会に戻っていくためには、医師の評価と心臓リハビリテーションを含めた段階的な準備が重要です。

心疾患後に起こりやすい身体と心の変化

身体的な変化

心臓の病気や入院・安静期間の影響で、体力や筋力が低下しやすくなります。心臓のポンプ機能の低下だけでなく、骨格筋の減少や代謝の変化なども関係しています。

体力低下(運動耐容能の低下)

心不全では、心臓の機能低下に加えて筋肉量の減少や末梢循環の悪化が起こり、以前よりも疲れやすく感じるようになります。

息切れ・疲れやすさ・むくみ

心機能が低下すると、動作時の息切れや全身の倦怠感、足のむくみ(浮腫)などがみられます。これらは心不全によるうっ血症状の一部です。

筋力・バランスの低下

高齢の方や安静が長かった方では、フレイル(虚弱)や廃用によって筋力やバランス感覚が低下し、転倒リスクが高まることがあります。

心理的な変化

身体的な回復が進んでも、心臓病の再発への不安や自信の喪失など、心理的な負担が残ることがあります。こうした心の変化にも注意が必要です。

再発への不安

「無理をしたくない」「また倒れたらどうしよう」といった再発への恐怖や、将来に対する不安を感じる方が多くみられます。

自信の喪失・抑うつ

心臓病をきっかけに気持ちが沈み、いわゆる「心臓うつ」や不眠、意欲の低下がみられることがあります。心理的なサポートを受けることで、回復がよりスムーズになります。

社会復帰に向けた心臓リハビリテーションについて

心臓リハビリ(心リハ)は、心臓病を経験された方が「体と心の回復を図り、再発を防ぎながら安心して日常生活や社会に戻る」ための包括的なプログラムです。入院中の急性期から退院後の外来通院期、さらに在宅生活までを一貫してサポートします。運動療法だけでなく、食事指導や生活習慣の見直し、心理的サポートなどを組み合わせ、患者様一人ひとりが自分らしい生活を取り戻せるよう支援します。心臓病の再発予防に加えて、体力・自信・生活の質(QOL)の向上を目指すことが目的です。

心臓リハビリを行うことで得られる主なメリット

  • 運動耐容能(体力)の向上により、職場復帰後の疲労感が軽減される
  • 再入院や再発のリスクが低下する(心不全・心筋梗塞など)
  • 心拍や血圧の安定により、作業中の息切れや不安が減少する
  • 心理的な不安(再発への恐怖・抑うつ)を軽減し、自信を取り戻せる
  • 医師・理学療法士・管理栄養士による指導で、生活習慣全体が整う


▶ 心臓リハビリテーションの詳細はこちら

社会復帰に向けて必要な3つのステップ

心臓の病気を経験した後、安全かつ円滑に仕事や社会生活へ復帰するためには、単に病気が治るのを待つだけではなく、医師・リハビリスタッフ・ご家族・職場が一体となった計画的なステップが重要です。当院では、循環器専門医を中心に、多職種連携による包括的なサポート体制を整えています。

① 医師の評価(メディカルチェック)

復職の可否は、疾患名だけで判断することはできません。当院の循環器専門医が、再発リスクを最小限に抑え、安全に社会復帰できるよう以下の点を総合的に評価します。

  • 病状・心機能の評価(LVEFなど)を行い、再発リスクや血圧・脈拍の安定性を確認する
  • ICDやCRTなどのデバイス治療が必要かどうかも含め、個々の病態に応じた医学的判断を行う
  • 勤務内容(身体負荷の高い業務・夜勤・精神的緊張を伴う職種など)を踏まえ、無理のない段階的な復職計画を立てる

② 心臓リハビリによる体力・自信の回復

心臓リハビリテーション(心リハ)は、薬物療法やカテーテル治療と並び、再発予防と予後改善に科学的根拠のある包括的プログラムです。身体面・精神面の両方から働ける体と自信を取り戻すことを目的としています。

  • 心不全における体力低下は、心臓の機能だけでなく、骨格筋の減少や代謝異常といった末梢機能の低下が主因とされる
  • 運動療法によってこれらの末梢機能を改善し、疲れにくく再発しにくい体を作る
  • 再入院リスクを下げ、運動耐容能(体力)やQOL(生活の質)を高める効果が期待できる
  • 医師・理学療法士・看護師・管理栄養士が連携し、有酸素運動・筋力トレーニング・食事指導・心理支援を統合的に実施する
  • 心理的な苦痛(再発への恐怖・抑うつ)を軽減し、「また働ける自信」を取り戻す支援を行う

③ 職場や家族との調整

心疾患の治療やリハビリには、ご家族や職場の理解と協力も欠かせません。当院では、患者様・ご家族・主治医・職場(産業医・人事担当者など)との連携を重視し、安全な社会復帰を支えています。

  • 医師の判断に基づき、勤務時間・業務内容・通勤方法などを段階的に調整する
  • 勤務情報提供書を活用し、主治医から産業医や職場に必要な医学的情報を共有する
  • 高負荷作業・深夜勤務・暑熱環境など、病状に影響する勤務条件を避ける配慮を行う
  • ご家族の参加を通じて、リハビリの継続や生活習慣の改善を支援し、安心して社会生活を送れるようサポートする
  • 補助人工心臓(LVAD)を装着している方の場合も、職場理解と緊急時対応体制を整えることで復職が可能となる

心臓リハビリテーションの効果

心臓リハビリ(心リハ)の効果は、これまでの多く研究によって報告されています。例えば、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)の患者さんが心リハを行うことで、行わない場合と比べて心血管病による死亡率がおよそ26%減少し、入院リスクがおよそ18%低下するとされています。また、心不全の患者さんでは、心臓リハビリを実施した場合、すべての入院が約25%減少し、心不全による再入院が約39%減少したという報告もあります。心臓リハビリを継続することで、体のさまざまな機能が改善し、より快適に日常生活を送ることができるようになります。

心臓リハビリの進行と復職までの流れ

フェーズ 期間の目安 主な内容
急性期 入院中 症状の安定を図りながら、できる範囲で体を動かす練習を始めます。医師が心臓の状態や回復の進み具合を確認します。
回復期 退院後1〜3か月 外来で安全に運動療法(有酸素運動・筋力トレーニング)を行います。生活習慣や食事の見直しを進め、体力の回復を目指します。
維持期 3か月以降 自宅での運動を続けながら、定期的に受診して体調を確認します。社会復帰後も再発予防と健康維持をサポートします。

心臓病や心不全を経験された方の社会復帰を支援しています

心臓の病気を経験された方の中には、「もう仕事には戻れないのでは…」と感じてしまう方も少なくありません。しかし、心不全や狭心症、心筋梗塞、ペースメーカー(PM)・植込み型除細動器(ICD)の植込み後であっても、適切な治療と心臓リハビリを行うことで、多くの方が職場や社会へ復帰されています。

当院では、循環器専門医・理学療法士・管理栄養士が連携し、「安全に働ける体づくり」を目指したサポートを行っています。再発予防や体力回復だけでなく、復職後の生活リズムや仕事環境までを見据えた支援を大切にしています。

当院でのサポート内容

  • 循環器専門医による病状評価と、復職可否の判断
  • 理学療法士による心臓リハビリを通じた体力・筋力の回復支援
  • 管理栄養士による食事・栄養面のアドバイス
  • 職場復帰後を見据えた運動・生活習慣の継続指導
  • 主治医・産業医・職場との情報共有による安全な復職支援

当院へのアクセス

南円山みんなの内科ハートクリニックは、札幌市中央区に位置し、公共交通機関でもお車でも通いやすいアクセス環境です。

公共交通機関をご利用の方

北海道中央バス「旭山公園通18丁目」バス停すぐ

札幌市電「西線9条旭山公園通」駅より徒歩約5分

札幌市営地下鉄 東西線「西18丁目」駅より徒歩約14分

札幌市営地下鉄 東西線「円山公園」駅より徒歩約20分

お車でお越しの方

クリニック専用駐車場(18台分)をご用意しています。札幌市中央区だけでなく、豊平区・西区・南区など札幌市全域から多くの患者さまにご来院いただいています。

札幌市で心臓病や心不全の仕事復帰をお考えの方へ

心臓の病気を経験すると、「もう仕事に戻れないかもしれない」「体力が落ちてしまった」と不安を感じる方が多くいらっしゃいます。ですが、心臓リハビリを中心とした適切な治療とサポートにより、再び社会や仕事へ復帰することは十分に可能です。

南円山みんなの内科ハートクリニックは、札幌市中央区南円山にあり、公共交通機関でもお車でも通いやすい環境です。専用駐車場を18台分ご用意しており、お車での通院にも便利です。

心臓病や心不全の治療後の生活、仕事復帰についてお悩みの方は、どうぞお一人で抱え込まずにご相談ください。循環器専門医を中心としたチームが、体と心の両面からサポートし、「また働ける体」と安心を取り戻すお手伝いをいたします。

南円山みんなの内科ハートクリニック 院長 小浪 佑太

資格

認定内科医
総合内科専門医
循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
ACLS-EP; Advanced Cardiovascular Life Support for Experienced Provider

所属学会

日本内科学会
日本循環器学会
日本心血管インターベンション治療学会
日本心臓リハビリテーション学会

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